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個人情報保護法の施行は、メールマーケテイングの最大の障壁となってしまった。
インターネット上でのユーザーのプライバシー保護に関して、企業は慎重にならざるをえず、メールを運用していくにあたっても、スパムメールの影響と個人情報漏洩のリスクという2つの問題を恒常的に抱えてしまっている。
インターネットが着実に広がる一方で、同様に発展し続けてきたツールがある。
もはや、日常生活でも、ビジネスでも、人とやり取りをするためになくてはならないもの-それはメールである。
今日のインターネットマーケティングにおいて、ウェブサイトが「情報を掲載し、人の訪れを待ち受ける姿勢」から、「プル型情報配信ツール」と定義されることが多いのに対し、メールは、一般的に「人と人や企業と消費者間を結ぶツール」であることから擬似的な「プッシュ型情報配信ツール」と定義される。
この「プッシュ型ツール」としての特性をマーケティングに最大限に生かしたのがメールマガジンであり、これを使ったマーケティング施策は、この数年で「メールマーケティング」という名称で定着した。
メールマガジンがメールマーケティングとして用いられるのは、企業からユーザーに向けての情報発信リテンション(顧客との関係維持)ツールとしてウェブサイトヘの誘引商品購買や来店促進などを目的としたユーザーとの.ミュニケーションという主に3つの目的を達成するためだが、とくにとを達成するためには、ウェブサイトに顧客向けアンケートを導入したり、趣味噌好の異なる顧客に合わせて配信するメールの内容を個別に最適化したり、といった手法を取り続ける必要がある。
こうした最適化施策をスムーズに行うために、メール購読申込みの幾録画而にアンケートを設定して、購読者の周辺情報を取得する手法がよく用いられる。
この手法は、メールマーケティングをスムーズに進めるための一般的な方法として定着しつつあるが、実は2つのリスクが存在する。
リスクのひとつはスパムメールである。
まったく関わった覚えのない発信者からYある日、突然、商品の売り込みメールを受け取った経験は誰にでもあるはずだ。
中には、テレビや新聞などで取り沙汰されているように、不当な請求の恐れがあるウェブサイトヘ誘導しようとするフィッシング詐欺に関係するものもある。
このように「勧誘型」で詐欺まがいの内容を送りつけてくるものや、故意に重いデータを大量に送りつけてメール受信をさせないようにするもの、あるいはアダルトサイトからの架空請求のメールなどの迷惑メールを総称して、「スパムメール」と呼ぶ。
スパムメールはメールの普及率の上昇に歩調を合わせるように増え続けており、被害は後を絶たない。
企業は、自社サイトへの集客やユーザーとのコミュニケーションを考えて、発行するメールマガジンに、可能なかぎり多くのユーザーの登録を得ようと努力を重ねる。
が、スパムメールは、こうした企業のマーケティング活動に少なからぬ悪影響を及ぼしている。
このスパムメールの氾濫に対して、プロバイダー各社【フィッシング詐欺】金融機関などからの正規のメールやウェブサイトを装い、暗証番号やクレジットカード番号などを搾取する詐欺。
は、提供するメールサービスにおけるフィルタリングを強化する動きに出ている。
このため、本来届くべきメールマガジンまでもがスパムメールと誤って判断されて、フィルタソフトによって削除されてしまうという現象まで起こり始めている。
多くのユーザーは、自分が興味を持ったウェブサイトからの情報取得などを目的として、メールマガジンを購読している。
2005年に行われたCのアンケート調査によれば、15歳以上のユーザーが登録している無料のメールマガジンの数は「10通以上」が最も多く、さらに開封率は9割だった。
しかし、目を通す時間となれば、1通あたり1分以内だという。
つまり、何十というメールマガジンを購読していても、実際に精読している数は少ないということである。
このような状況が、メールマガジンを利用した情報伝達の障害となっていると考えられる。
アメリカの配信代行会社Dの2004年後半の調査では、配信の成功率(メールアドレスに到達した数)が90%あるのに対し、開封率は平均で32.6%、メールマガジン内のURLのクリック率に至っては8%に満たず、情報がユーザーに正確に届けられているとは言いがたい。
メールマガジンの氾濫が、ユーザーのメールマガジン離れを起こしているのは明白である。
さらに、メールの配信頻度が高すぎたり、セールス色が強すぎたりするものは、ユーザーの気持ちの上でスパムメール化する「体感スパム」となることが、調査からわかっている。
こうした状況下で、スパムメールを避けながらインターネットを活用していくためには、ユーザーがメールマガジンの登録に関して′慎重になってしまうのはやむをえない。
しかし、RSSの場合は、ユーザーが欲しい情報だけを選んで登録して購読する仕組みであるため、配信率はほぼ100%になる。
当然のことながら、一方的にスパムメールを送るということもない。
すなわち、企業側にとってみれば、RSSは真に情報を届けたいユーザーに対して、確実な伝達を可能にするメディアであると言えよう。
加えて、参考値ではあるが、メールとRSSを同時に配信した場合に、RSSのクリック率がメールに比べて、平均で5倍程度のパフォーマンスがあるという報告も出ている。
縄個人情報保護によるリスクスパムメールの問題に加えて、メールマーケティングを行う際に企業が抱えているもうひとつのリスクは、個人情報保護の問題である。
2005年4月に個人情報保護法が施行されたこともあり、企業は顧客情報の取り扱いに関して、神経質にならざるをえなくなっている。
だが、とくにメールマガジンによるコミュニケーションをマーケティング施策に取り入れている企業は、どれほど慎重な対策を講じたところで、ある程度リスクを軽減させることはできても、残念ながら、完全に回避することはできない。
どの企業にも人的なミスは起こりうる。
例えば、メーラー上で誤って顧客リストをCCに設定してしまったり、自分で登録したり承諾したりしたメールマガジンの類のうち、いつのまにかスパムメールのように感じてしまっているものがあるかどうかを調査した結果。
プライバシーマーク制度の取得その他特に何もしていない添付して配信してしまったり、あるいは配信システム上に顧客リストをアップロードしてしまったりということは、実際にこれまで何度も起こっている。
例えば、「I」を見ると、2005年だけでも、「セミナー参加申込者に対して、メール配信をした際に、誤って他の申込者数十名のアドレスを表示した状態で送信した」「障害報告のメールを配信する際、入力ミスにより、数十件のメールアドレスが他の受信者に確認できる形で配信されてしまった」などの個人情報漏洩事件の報告がされている。
このような事故を起こせば、企業はユーザーの信頼を失ってしまうだけでなく、事故による損害賠償として多額の負債を抱えてしまうことにもなりかねない。
ひとつのミスが、企業経営にまで影響を及ぼしてしまうのである。
こうしたリスクが、「プッシュ型情報配信ツール」の将来性に影を落としているのは明白である。
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